99年前、島根の貧農の次男として生まれた長吉(草彅剛)は、困窮する家計を助けるため、出稼ぎの手段として渡米を決意する。だが、その決意の裏にはアメリカで一旗あげるという秘めたる夢があった。19歳の長吉は大きな夢を胸に、アメリカ行きの船に乗り込む! およそ1ヶ月に及ぶ船旅。辿り著いたアメリカの身元引受人の家は、粗末な小屋だった。そして、「日本人は働きすぎるから」と、勤勉な日本人に仕事を奪われることを恐れたアメリカ人は排日運動を起こしていて、長吉にはアメリカ人農場の仕事はなかった。初めて飲むコーヒーの苦さに、アメリカに賭けた夢の苦さをダブらせる長吉。渡米早々から味わう挫折。しかし、長吉は不屈の根性でへこたれずに、毛布一枚に全財産をくるみ、家もなく農場を転々とする季節労働者として、必死に働き続けた。流した汗のしょっぱさは、自分を裏切らないと信じて…。
時は流れ――、長吉(中井貴一)は、嫁のとも(泉ピン子)と必死に働き、ついに自分の農場を持つ。そして、4人の子寶にも恵まれ、家庭を育んでいく。それは、日本では決して葉うことのない夢であり、裕福とはいえないまでも楽園のような場所であった。 日米関係の悪化が日系移民への差別に拍車をかけていた時期、長男・一郎(草彅剛)は、18歳になっていた。アメリカの大學に通うが、差別のため友人はいない。そんな中、領事館職員の娘・しのぶ(仲間由紀恵)と戀に落ちる。美人のしのぶは、一郎の家族・平松家にも気に入られる。そして、一郎の弟・次郎(松山ケンイチ)は、しのぶに淡い憧れを抱くのだった。
その頃、時代は風雲急を告げる。日本とアメリカの戦爭が決定的になったのだ! ほどなく、日本とアメリカが開戦し、平松家を翻弄していく。長吉はFBIに逮捕され拘留所へ。一郎、しのぶ、とも、次郎は日系人を隔離する収容所へ。一郎の妹・しづ(寺島咲)は広島、さち(川島海荷)は沖縄と、日本へ帰されたが、親戚たちに邪魔者扱いされる。
戦爭が激化する中、一郎は家族がアメリカで信用を得られるようにと米國に忠誠を誓い、米兵としてヨーロッパ戦線へ。しづは広島で原爆を、さちは沖縄戦